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「ホームページを作ったのに患者が増えない」「アクセス数は悪くないのに予約につながらない」「競合と比べてどこが足りないのかわからない」——自由診療クリニックの院長から、こうした声を多く伺います。こうした悩みの根本にあるのは、施策の不足ではなく「HPの設計ミス」です。
本記事では、自由診療クリニックのホームページが集患できない3つの設計ミスを解剖し、「見られて・信頼されて・予約される」HPを設計・実装・改善するための方法を一気通貫で解説します。ホームページは作ったら終わりではなく、育て続けることで集患力が複利的に高まる「経営インフラ」です。その設計思想から具体的な改善方法まで、院長が実践できるレベルで解説していきます。
SEO・Web広告・SNS・MEO——自由診療クリニックが取り組むWebマーケティングの施策は多岐にわたります。しかし、これらすべての施策に共通する「終着点」がホームページです。SEOで上位表示されても、広告をクリックしてもらっても、SNSで認知されても、最終的に患者はホームページに到達し、そこで「予約するかどうか」を判断します。
つまり、ホームページが弱ければ、どれだけ他の施策に投資しても集患は増えません。月30万円の広告費をかけても、HPのCVR(コンバージョン率)が低ければ、予約は生まれません。逆にHPが強ければ、少ない広告投資でも高い集患効果を発揮します。ホームページは「院の顔」である以前に、「集患エンジンのハブ(中核)」として機能する最重要インフラです。
集患できるホームページには、同時に満たすべき3つの条件があります。この3条件を軸に、本記事全体の設計を進めていきます。
| 条件 | 意味 | 不足したときに起きること |
|---|---|---|
| ① 見られる | SEO・広告・MEO等で検索結果に表示され、患者にクリックされる | そもそも存在を知られない。どれだけ良いHPでも流入がなければ集患ゼロ |
| ② 信頼される | 院長の専門性・診療方針・実績が伝わり「ここなら安心」と感じさせる | 閲覧されても離脱。「なんとなく不安」という理由で他院に流れる |
| ③ 予約される | USPが伝わり、動線が整い、摩擦なく予約完了まで導ける | 「予約しようと思ったが面倒でやめた」「他院と迷ってやめた」が多発する |
「アクセスを増やすだけ」「デザインをきれいにするだけ」では集患につながらない理由が、この3条件で明確になります。3条件のどれか1つでも欠けると、集患の連鎖は途中で断ち切られます。
自由診療の患者は、全額自己負担という意思決定の重さゆえに、保険診療の患者よりはるかに深くHPを回遊します。トップページだけを見て予約を決める患者は少なく、院長プロフィール・施術の詳細・料金・FAQと複数ページを精読した上で判断します。
この「深い回遊」の途中で起きる離脱が、集患の最大の機会損失です。典型的な離脱シナリオは4つあります。①料金が記載されていない→「ここは費用が不透明」と判断して離脱。②院長情報が薄い→「どんな先生かわからない」という不安から離脱。③スマートフォンで操作しにくい→フラストレーションから離脱。④FAQで不安が解消されない→予約に踏み切れずに離脱。これらの離脱は、設計で防ぐことができます。
「見ているのに予約しない」患者の存在は、Googleアナリティクスの数字にも表れます。月間セッション数が1,000を超えているのにCV数が月5件以下という場合、流入は十分あるにもかかわらず、HPが集患エンジンとして機能していないことを示しています。この状態では広告費を増やしても焼け石に水です。集患を増やすための正しい投資先は「流入の増加」ではなく「HPの設計改善」にあります。次のセクションから、その設計ミスの本質に迫ります。
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Googleは医療・健康・お金に関わる情報を「YMYL(Your Money or Your Life)」と呼ばれる特別なカテゴリとして扱い、他のジャンルよりも厳しい基準でサイトを評価します。自由診療クリニックのHPはこのYMYL領域に該当し、「E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)」の4要素が欠けたサイトは検索順位が上がりにくく、また患者の信頼も得られません。
具体的には、院長の経歴・専門資格・学会所属・症例数・診療への想いが明示されていないHPは、患者から見て「誰が治療するのかわからない院」に映ります。自由診療の患者は数万〜数十万円を投じる決断をするため、「この先生に任せて大丈夫か」という信頼の確認を必ずHPで行います。この確認が取れないHPからは離脱されます。
競合HPと比較したとき、「丁寧な診療」「最新機器」「アットホームな雰囲気」という訴求軸は、ほぼすべての競合も使っています。この状態では患者は差別化できず、「料金が安い院」「名前を聞いたことがある院」「口コミが多い院」という基準で比較され、負けやすくなります。
さらに深刻なのが料金の不明確さです。「詳しくはカウンセリングにて」という表記は患者にとって「まずカウンセリングに行かないと費用がわからない」という心理的ハードルになります。自由診療の患者は来院前に費用感を掴みたいと考えており、料金を明示している競合に流れるケースが多く発生します。
信頼も伝わり、差別化も伝わった。それでも予約につながらないケースが「動線ミス」です。CTAボタン(予約・問い合わせへの誘導ボタン)が小さい・見つけにくい・文言が弱い、予約フォームの入力項目が多すぎる、スマートフォンでフォームが操作しにくい、予約方法が電話のみで診療時間外は問い合わせできない——これらは「予約したいのに予約できない」という患者体験を生みます。
動線ミスは3つのミスの中でもっとも「改善効果が出やすい」ミスです。なぜなら、信頼ミスや差別化ミスはコンテンツの抜本的な見直しが必要なのに対して、動線ミスはCTAの文言変更・フォームの入力項目削減・予約方法の追加といった比較的小さな改修で改善できるからです。まず動線ミスを解消し、CVRを改善することで「今いる訪問者から集患を増やす」即効性のある成果を出しながら、並行して信頼・差別化の改善を進めるという優先順位が、集患改善の最も効率的な順序です。
⚠️ 設計ミス診断チェックリスト
・信頼ミス:院長の専門資格・学会所属・症例数・診療方針が明示されているか。
・差別化ミス:なぜ競合でなく自院を選ぶのか、ファーストビューで伝わるか。
・差別化ミス:主要施術の料金目安がHPに記載されているか。
・動線ミス:スクロールのたびにCTAボタンが表示されているか。
・動線ミス:スマートフォンで予約フォームを操作しやすいか。
・動線ミス:電話・LINE・Webフォームの複数の予約手段が用意されているか。
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ホームページから問い合わせが来ない原因の具体的な診断方法については以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
クリニックのホームページから問い合わせが来ない理由と解決策|集患ゼロを脱出する実践チェックリスト
多くのクリニックがHPを「ページごとに情報を掲載したもの」として捉えています。しかし集患できるHPは、ページを「患者が情報を求めて旅する道筋」として設計しています。
各ページには「このページを見た患者を、次はどのページに送り出すか」という役割があります。院長ページを見た患者は施術への興味が高まっているはずなので、施術ページへ誘導する。施術ページを見た患者は費用が気になっているはずなので、料金ページへ誘導する。料金ページを見た患者は不安を解消したいので、FAQへ誘導する——この「送り合い」の設計が、回遊を深め離脱を防ぎ、最終的に予約につながる導線を生みます。
患者がどのチャネルからHPに流入するかによって、回遊パターンが異なります。チャネル別に適切な導線を設計することが重要です。
| 流入チャネル | 典型的な回遊パターン | 導線設計の方針 |
|---|---|---|
| SEO(自然検索) | トップ→院長→施術→料金→FAQ→予約 | 信頼構築を丁寧に積み上げる長い導線。各ページに「次へ」の内部リンクを必ず設置 |
| Web広告 | LP→施術詳細→料金→予約 | 短期決断を促す短い導線。LPのCTAを強化し、3クリック以内で予約完了させる |
| SNS流入 | トップ→院長→予約 | 院長への共感から来院するパターン。院長ページから直接予約への動線を強化 |
| MEO(地図検索) | Googleマップ→HP→料金or予約 | 来院意欲が高い顕在層。HP到達後すぐに予約できる動線を最優先で設計 |
「送り合い」を実現する具体的な手法が内部リンクです。各ページの末尾・本文中に「次に読むべきページ」へのリンクを意図的に配置します。例えば院長ページの末尾に「当院の施術・診療内容はこちら」、施術ページの末尾に「料金・費用についてはこちら」「よくある質問はこちら」といった形です。
内部リンクを設計する際のポイントは3つあります。
①文脈に沿ったリンクにする:「料金についてはこちら」という文脈から外れたリンクより、「インプラントの費用について詳しく知りたい方はこちら」という文脈に沿ったリンクのほうが患者にとって自然で、クリック率も高くなります。
②アンカーテキストを具体的にする:「こちら」「詳細はこちら」という曖昧なリンクテキストより、「医療脱毛の料金・費用一覧」「院長の専門資格・経歴について」など、リンク先の内容を具体的に示すアンカーテキストにします。
③重要ページへの内部リンク数を増やす:料金ページ・施術ページ・予約ページは、HPの中で最もCVに直結するページです。他のすべてのページからこれらへのリンクを張ることで、Googleの評価と患者の到達率を同時に高めます。
内部リンク設計にはSEO上の効果もあります。Googleはサイト内のリンク構造を通じて「どのページが重要か」を評価するため、重要ページへの内部リンクを適切に設計することで、サイト全体の検索評価を底上げできます。患者の回遊を深めながらSEO評価も高める「一石二鳥」の施策です。
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集患に直結する重要ページは6つです。各ページが回遊の流れの中で担う役割と設計の核心、チェック項目を以下に整理します。
| ページ | 果たすべき役割 | 設計の核心 | 最重要チェック項目 |
|---|---|---|---|
| トップ | 3秒で価値を伝え信頼の扉を開く | ファーストビューにUSP・対象患者・CTA・信頼証明を凝縮する | ファーストビューを見て「自分に関係ある」とわかるか |
| 院長・スタッフ | 「人への信頼」で比較優位を確立する | 経歴・資格・想いを「患者が読みたい言葉」で伝える | 院長の写真・専門資格・診療への想いが明示されているか |
| 施術・診療 | SEO流入を受け止め不安を解消しCVにつなぐ | 1施術1ページ設計で検索ニーズに答えリスク情報も開示する | 施術の流れ・所要時間・リスク・費用目安が記載されているか |
| 料金 | 透明性で信頼と予約率を同時に上げる | 「詳しくはカウンセリングにて」をなくし料金目安を明示する | 主要施術の料金目安が具体的に記載されているか |
| FAQ | 離脱直前の不安を最後に解消する防波堤 | 患者が予約を断念する不安TOP10に正面から回答する | 来院前の代表的な不安(痛み・効果・費用・副作用)が解消されているか |
| 予約・アクセス | 摩擦ゼロで予約完了まで導く最終ゲート | 電話・LINE・Webの三択+Googleマップ埋め込みで来院ハードルを最小化 | スマホで2分以内に予約完了できるか |
6ページの中でも、競合HPとの「比較負け」が集中しやすいのが料金・院長・施術の3ページです。
【料金ページ】自由診療の医療広告ガイドラインでは、限定解除の4条件(患者が自ら求める情報・問い合わせ先明示・費用情報の提供・リスク情報の提供)を満たした上で料金を開示することが求められます。この条件を満たして料金を明示することは、規制の観点から「すべきこと」であると同時に、「透明性=信頼」という患者心理から見ても「集患力を上げること」につながります。料金ページは義務と戦略が一致する、自由診療HPで最も重要なページのひとつです。
【院長ページ】「この先生に任せたい」という感情的な信頼は、来院の最終的な決め手になります。医師の経歴・専門資格だけでなく、「なぜこの診療分野を選んだか」「患者にどんな体験をしてほしいか」という想いを言語化したコンテンツが、信頼の非対称性を解消します。院長の顔写真は必須であり、白衣姿の証明写真より、診療の様子や自然な笑顔の写真のほうが親近感と信頼を生みます。
【施術ページ】1施術1ページで設計することで、「医療脱毛 渋谷」「インプラント 費用 相場」など施術×地域・費用系キーワードでの検索流入を獲得できます。ページには施術内容・流れ・所要時間・効果・リスク・副作用・費用目安をすべて記載し、「このページを読めば不安なく来院できる」という状態を目指します。
自由診療を検討する患者の多くは、移動中・就寝前・休憩時間などスマートフォンで情報収集・比較・予約検討を行います。にもかかわらず、スマホ最適化が不十分なHPは驚くほど多く存在します。スマホ表示が崩れている・フォントが小さすぎる・ボタンが押しにくい・フォームが入力しにくい——これらは「予約しようとしたができなかった」という離脱を大量に生んでいます。
スマホ対応の不備は単なるUX(ユーザー体験)の問題にとどまりません。GoogleはモバイルファーストインデックスといってPCよりスマホでの表示品質を優先してサイトを評価します。つまりスマホ対応が不十分なHPは検索順位でも不利になり、「見られる」条件も同時に損ないます。スマホ最適化はCVR改善とSEO改善を同時に実現する最重要施策のひとつです。
💡 スマホ対応チェックリスト(5項目)
① ファーストビューがスマホ画面内に収まり、CTAボタンが見えるか。
② テキストのフォントサイズが14px以上で読みやすいか。
③ ボタンの縦横サイズが最低44px以上で指で押しやすいか。
④ 予約フォームがスマホで入力しやすい設計か(入力欄が小さすぎないか)。
⑤ PageSpeed Insightsのモバイルスコアが70点以上か。
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各ページの設計要件や制作プロセスの全体像については以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
自由診療クリニックのホームページ制作完全ガイド|マーケティング戦略を「患者が体験できる形」に実装する設計・発注・運用の全プロセス
自由診療の検索キーワードには、保険診療にはない大きな特徴があります。「医療脱毛 効果 持続」「インプラント 費用 相場 渋谷」「審美歯科 ホワイトニング おすすめ クリニック」——これらを検索する人は、すでに「受けようかどうかを真剣に検討している」顕在層です。潜在層(まだ治療を考えていない人)よりも来院につながりやすく、SEOで獲得した場合のROIが高くなります。
自由診療HPのキーワード戦略は、以下の3カテゴリを軸に設計します。①地域名×施術名(例:「渋谷 医療脱毛」「新宿 インプラント」)——来院意欲が高い地域顕在層を直接獲得。②費用・価格系(例:「医療脱毛 全身 費用」「インプラント 相場」)——費用に敏感な検討層。料金ページを整備して対応。③悩み・症状系(例:「脱毛 永久 方法」「歯を白くしたい」)——まだ施術決定はしていないが関心を持ち始めた潜在〜顕在層。コラム記事で対応。
キーワード選定で陥りやすい失敗が「競合が多い大ボリュームキーワードだけを狙う」ことです。例えば「医療脱毛」単体は月間検索数が非常に多い一方で競合も激しく、個人クリニックが上位表示するのは現実的ではありません。これに対して「医療脱毛 〇〇市 口コミ」「ヒゲ脱毛 何回 効果」のような複合キーワード(ロングテールKW)は検索数は少ないものの競合が少なく上位表示を狙いやすく、かつ検索意図が明確で来院意欲の高い患者を獲得できます。開業から2年以内のクリニックはまずロングテールキーワードから着手し、ドメイン評価を高めながら段階的に競合キーワードへ挑戦する戦略が有効です。
YMYL領域である自由診療HPがGoogleで評価されるためには、E-E-A-T(Experience:経験、Expertise:専門性、Authoritativeness:権威性、Trustworthiness:信頼性)の4要素をサイト全体で担保する必要があります。
| E-E-A-Tの要素 | 自由診療HPでの具体的な担保方法 |
|---|---|
| Experience(経験) | 院長の診療経験年数・症例数・担当症例の種類を明示する |
| Expertise(専門性) | 専門資格・学会所属・専門医認定の明示。施術ページでの医学的根拠の提示 |
| Authoritativeness(権威性) | メディア掲載実績・学会発表・著書・他サイトからの被リンク |
| Trustworthiness(信頼性) | 料金・リスクの透明な開示。プライバシーポリシー・医療広告ガイドライン準拠の明示 |
コンテンツの質だけでなく、HPの技術的な品質もGoogleの評価に影響します。特に重要なのがCore Web Vitals(コアウェブバイタル)と呼ばれる3つの指標です。LCP(最大コンテンツの表示時間)・INP(次のペイントまでのインタラクション)・CLS(レイアウトシフト)の3指標で測定され、これらが基準を下回るサイトは検索順位で不利になります。
自己診断にはGoogleの無料ツール「PageSpeed Insights」を使います。URLを入力するだけでモバイル・PCそれぞれのスコアと改善提案が表示されます。クリニックHPの目標スコアはモバイル・PC共に70点以上です。スコアが低い場合の主な原因は、画像ファイルサイズの最適化不足・不要なJavaScriptの読み込み・サーバー応答速度の遅さです。制作会社に依頼する際は、このスコアを契約条件に含めることをお勧めします。
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自由診療クリニックのSEO対策における具体的なキーワード戦略やE-E-A-T対応については以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
自由診療クリニックのSEO対策完全ガイド|YMYL・E-E-A-T・医療広告ガイドラインの「3つの制約」を逆手にとる集患戦略
CVR(Conversion Rate=コンバージョン率)とは、HPを訪問した人のうち実際に予約・問い合わせをした人の割合です。自由診療クリニックHPの一般的なCVRは0.5〜3%程度ですが、設計が整ったHPでは3〜5%以上を達成しているケースもあります。月間1,000セッションであれば、CVR1%では10件、CVR3%では30件の問い合わせが生まれる計算です。この差が集患数を大きく左右します。
CVRの現状はGoogleアナリティクスで確認できます。「コンバージョン」の設定が完了していれば、どのページからどれだけの予約・問い合わせが発生しているかを把握できます。まだ設定していない場合は、問い合わせフォームの送信完了ページを「目標」として設定することから始めてください。
CTA(Call to Action)とは、患者に「次のアクション」を促すボタンや文言のことです。「お問い合わせはこちら」という無機質なCTAより、「まず話だけでも聞いてみる」「無料カウンセリングを予約する」のほうが心理的なハードルが低く、クリック率が上がります。自由診療の患者が「予約」に感じる心理的ハードルを理解し、そのハードルを下げる言葉を選ぶことが重要です。
CTAの文言設計で特に意識すべきが「患者が予約をためらう理由」の解消です。自由診療の患者がカウンセリング予約を躊躇する主な理由は「断りにくくなりそう」「営業されそう」「費用の話をされそう」という心理的抵抗です。これを踏まえると「断っても大丈夫です。まずお気軽にご相談ください」「費用についても遠慮なくお聞きください」という付帯情報をCTAボタンの近くに添えることで、クリックへの心理的ハードルを大幅に下げられます。「予約したい」という気持ちと「でも一歩踏み出せない」という葛藤の間に橋を架けるのがCTA設計の本質です。
配置においては、ページを読み進めるほどCTAが見えなくなる設計は機会損失です。スクロールに追従する固定フッターのCTAを設置することで、患者が「予約したい」と思ったその瞬間にアクションできる設計にします。PCでは画面右サイドに固定CTAを表示する方法も効果的です。
CVRを下げるもっとも見落とされやすい要因が予約フォームの設計です。氏名・ふりがな・電話番号・メールアドレス・希望日時・希望施術・症状・その他要望——入力項目が多いほど離脱率が高まります。最低限の情報(氏名・連絡先・希望日時)のみを必須項目として、残りは任意か来院後に確認する設計にすることで、フォームの完了率を上げられます。
また、予約方法は電話・LINE・Webフォームの3択を用意することを強くお勧めします。電話が苦手な患者はLINEやWebフォームで問い合わせます。診療時間外の問い合わせを逃さないためにも、24時間対応できるWebフォームやLINE予約は必須です。予約完了後のサンクスページには「予約を受け付けました。〇〇営業日以内にご連絡します」という明確なメッセージを表示し、患者の不安を解消してください。
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HPの改善を「感覚」ではなく「数字」で行うために、毎月確認すべき5つの指標を定めます。以下の表に指標・意味・数値悪化時の対応アクションをまとめました。
| 指標 | 意味 | 悪化時の対応アクション |
|---|---|---|
| ① セッション数 | 月間のHP訪問者数(流入の絶対量) | SEO順位の低下や広告停止が原因の場合が多い。流入チャネル別に原因を特定する |
| ② 直帰率 | HPを訪問してすぐ離脱した割合(HPの第一印象) | ファーストビューの改善・ターゲットと記事の不一致を確認する |
| ③ ページ/セッション | 1訪問あたりの平均ページ閲覧数(回遊の深さ) | 内部リンクの設置・「次に読むべきページ」への誘導を見直す |
| ④ CV率 | 訪問者のうち予約・問い合わせをした割合(転換効率) | CTA・フォーム・料金の透明性・信頼情報の充実を優先的に改善する |
| ⑤ 流入チャネル比率 | SEO・広告・SNS・直接等の流入元の内訳 | 特定チャネルへの過依存(広告停止で集患ゼロになるリスク)を把握し分散を図る |
5指標を確認したら、次は「どのページに問題があるか」を特定します。Googleアナリティクスの「行動→サイトコンテンツ→すべてのページ」から各ページの離脱率を確認します。離脱率が高いページが「患者を逃しているページ」です。
典型的な問題発見シナリオを示します。「料金ページの離脱率が80%超→料金を明示していないことへの不信感が原因→料金を具体的に記載→離脱率が60%に改善→CV率も1.2倍に向上」。この流れで問題発見→原因特定→改善実施→効果検証を繰り返します。改善ページの優先順位は「CV率への影響度が高いページ」から着手します。料金・施術・トップページの改善が最もCVRに直結します。
HPの改善を月1回の定例ルーティンとして設計することで、継続的な集患力の向上が実現します。月次PDCAの流れは以下の通りです。①数値確認(5指標を前月比で確認)→②課題特定(離脱率・CV率の悪化ページを特定)→③改善仮説(なぜ離脱するか・どう改善するかを仮説立て)→④改善実施(コンテンツ・CTA・フォームを修正)→⑤検証(翌月の数値で改善効果を確認)。
改善の優先順位は「インパクト×難易度」で判断します。例えば「CTAボタンの文言変更」は実施コストが低く(難易度:低)、CV率への直接的な影響が大きい(インパクト:高)ため、最初に取り組むべき改善です。一方「HP全体のリニューアル」はインパクトは大きいものの難易度・コスト共に高いため、小規模な改善で手応えを確認してから着手するのが適切です。改善を重ねた実績が蓄積すると「どの改善がどの指標に効いたか」のパターンが見えてきます。このデータこそが最大の資産であり、次の改善精度を高める学習になります。
HPは更新・改善を重ねるほど、コンテンツが充実してSEO評価が上がり、CVRが改善され、集患力が複利的に高まる「資産」です。開業から1年・2年と育て続けることで、広告費を増やさなくても安定した集患が生まれる状態に近づきます。「作ったら終わり」ではなく「育て続ける経営インフラ」として位置づけることが、自由診療クリニックのHP活用の本質です。
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効果測定から改善サイクルを含むWebマーケティングの全体設計については以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
自由診療クリニックのWebマーケティング完全ガイド|集患エンジンの設計・施策実装・効果測定まで一気通貫で解説
自由診療クリニックのホームページ集客は、「見られる×信頼される×予約される」の3条件を同時に満たすことで初めて機能します。信頼ミス・差別化ミス・動線ミスの3つの設計ミスを解消し、患者の回遊導線を意図的に設計し、重要6ページを役割から逆算して整備する——この設計の積み上げが集患エンジンとしてのHPを完成させます。
SEOで顕在層を呼び込み、CVR改善でアクセスを予約に変え、月次PDCAで継続的に育てる。この仕組みが整ったとき、HPは「コスト」から「複利で育つ資産」に変わります。
本記事で解説した内容を振り返ると、改善のアクションは「大規模リニューアル」でなくても始められます。今日できる最小の一歩は「自院HPの料金ページに費用の目安を記載する」「CTAボタンの文言を見直す」「スマホでフォームが操作できるか確認する」——これだけで集患が変わり始めるケースは少なくありません。完璧を目指して立ち止まるより、小さな改善を積み重ねることがHPを「育てる」ことの本質です。
まず取り組むべきは、本記事の「設計ミス診断チェックリスト」と「スマホ対応チェックリスト」で自院HPの現状を診断することです。問題が特定できれば、改善の優先順位は自然と見えてきます。ホームページの設計・改善を専門家と一緒に進めたい方は、ぜひ一度ご相談ください。
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弁護士。京都大学経済学部卒業、京都大学経営管理大学院修了(MBA)
旧司法試験合格、最高裁判所司法研修所を経て弁護士登録(日本弁護士連合会・東京弁護士会)。独立行政法人中小企業基盤整備機構では国際化支援アドバイザーとして活動。
㈱Camphor Tree において、医療分野・税理士など専門サービス業における、マーケティング・ブランディング・HP/LP 制作・SEO・コンテンツ設計など、集客から売上につながる戦略設計・実行支援を行う。