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クリニックに患者が来ない本当の理由とは|原因を正しく診断して今すぐ取り組む集患・増患の処方箋

クリニックに患者が来ない本当の理由とは

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「開業したのに予想ほど患者が来ない」「数年前まで順調だったのに、いつの間にか患者数が減っている」──そのような悩みを抱えている院長は、決して少数ではありません。医師として優れた技術を持ちながらも、集患の課題を前に孤独を感じているケースは多くあります。

患者が来ない状態を放置すれば、固定費だけが積み上がり、経営の選択肢は日を追うごとに狭まっていきます。しかし、正しい原因を特定しないまま対策を打っても、時間とお金だけが消えていきます。

本記事では、クリニックに患者が来ない原因を体系的に整理したうえで、今すぐ取り組むべき具体的な集患・増患対策を詳しく解説します。

目次

1. 「患者が来ない」を放置すると起こる3つの深刻なリスク

毎月の固定費が赤字を確実に膨らませる

クリニックの経営において、売上が思うように上がらなくても固定費は容赦なく積み上がります。家賃・人件費・医療機器のリース料・借入金の返済──これらは患者が来ようと来まいと毎月発生するコストです。仮に月の固定費が200万円のクリニックで、保険診療の患者単価が5,000円だとすれば、損益分岐点を超えるためには月400人以上の来院が必要です。「もう少し様子を見よう」という判断が積み重なると、気づいたときには手元資金が底をついているケースも珍しくありません。

「患者が来ない」という問題は、単なる経営の課題ではなく、時間が経つほど深刻化する「損失の拡大」です。毎月の赤字という確実な損失を放置することは、経営再建の可能性を着実に狭めることにほかなりません。

固定費の種類月額の目安削減の難しさ
家賃・管理費30万〜100万円高(契約期間あり)
人件費(常勤スタッフ)100万〜200万円高(雇用契約あり)
医療機器リース料20万〜50万円中(途中解約は違約金)
借入金返済20万〜50万円高(返済スケジュール固定)
光熱費・消耗品10万〜30万円低〜中

スタッフのモチベーション低下と離職が連鎖する

患者数が少ない状態が続くと、スタッフにも心理的な影響が出始めます。「このクリニックは大丈夫なのだろうか」という不安が広がり、特に優秀なスタッフほど早い段階で転職を検討し始めます。スタッフの離職が起きると採用・育成コストが追加で発生し、さらに経営を圧迫する悪循環が生まれます。

また、新しいスタッフが育つまでの間は院内のサービス品質が低下し、さらなる患者離れを引き起こすリスクも高まります。患者が来ない→収益悪化→スタッフ離職→院内品質低下→患者来院減少という負のスパイラルに入ると、脱出するコストは指数関数的に増大します。

放置期間が長いほど経営の立て直しは困難になる

集患の課題は、早期に手を打てば打つほど回復のコストが低く済みます。開業初年度に問題を認識して対策を取れば、1〜2か月の集中的な施策で立て直せるケースもあります。しかし、放置期間が1年・2年と延びると、Googleの口コミに悪評が積み重なり、競合クリニックへの患者の流出が定着し、自院のブランドイメージの回復には数倍の時間とコストがかかる状態になります。

「患者が来ない」という事実に気づいた今この瞬間が、対策を始める最善のタイミングです。放置してよいことは何ひとつありません。

💡 重要ポイント
「患者が来ない」問題は時間が経つほど解決コストが高くなります。固定費の積み上がり・スタッフ離職・ブランド棄損という3つのリスクを念頭に置き、早期に原因特定と対策実行に動くことが、経営を守るための最優先事項です。

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2. クリニックに患者が来ない原因を4つの視点で診断する

まず「なぜ患者が来ないのか」という問いに対して、正確に答えることが最初の一歩です。多くの院長が「広告が足りないから」と考えますが、実際には広告以前の問題が根本にあることも少なくありません。以下の4つの視点で自院の状況を点検してみましょう。

①集客(認知・流入)に問題があるケース

患者がそもそも自院の存在を知らない、あるいは検索しても見つからないという状態です。Googleマップでの表示順位が低い・ホームページがSEO的に機能していない・SNSで情報発信が行われていないなどが典型的な原因として挙げられます。どれだけ良い医療を提供していても、患者に認知されなければ来院にはつながりません。

確認すべきポイントとして、「地域名+診療科」でGoogle検索したときに自院がGoogleマップ上位3件(ローカルパック)に表示されているか、自院のホームページが検索結果の1〜2ページ目に掲載されているかをチェックしてみてください。表示されていない場合、認知・流入段階に根本的な問題があります。

②院内体験(診療・接遇・待ち時間)に問題があるケース

初回来院した患者が「また来たい」と思えない状態です。待ち時間が長い・受付の対応が冷たい・医師の説明がわかりにくい・院内が清潔感に欠けるなど、患者体験の品質に問題があると、口コミ評価が下がり、リピーターが増えません。

一度来院した患者が再来院しないクリニックは、常に新患を開拓し続ける必要があり、集患コストが恒常的に高い状態に陥ります。Google口コミに「待ち時間が長い」「説明が不十分」「受付の態度が悪い」といった指摘が複数ある場合、院内体験の改善が急務です。

③再来院(リピート・紹介)に問題があるケース

治療が終わった後のフォローが不十分で、患者が自然に離脱してしまうケースです。次回予約を取らずに帰らせる・定期健診の案内をしていない・患者へのリマインド施策がないといった状況が続くと、せっかく来院した患者が「来なくなる」という形で損失が発生します。

また、患者が友人・知人にクリニックを紹介してくれるような仕組みがない場合も、口コミによる自然集患のチャンスを逃し続けることになります。新患を継続的に獲得しながらも再来院率が低いクリニックは、「ざるで水を汲む」状態であり、集患の費用対効果が極めて低い状態にあります。

④競合・市場環境に問題があるケース

近隣に競合クリニックが増加した、または自院が対応していない診療ニーズが高まっているというケースです。クリニックが密集する地域では、患者は複数の選択肢を比較して来院先を決めます。明確な差別化ポイントがない場合、立地・口コミ・ブランドイメージで勝る競合に患者が流れてしまいます。

「なぜ自院を選ぶのか」という理由を患者に伝えられていない場合、どれほど医療の質が高くても選ばれない可能性があります。美容医療や自由診療など、トレンドの変化に対応できていないクリニックも、市場の変化に取り残されるリスクがあります。

診断の視点主なチェック項目問題があれば優先すべき対策
①集客(認知・流入)Googleマップ表示順位、HP検索順位MEO対策・SEO・Web広告
②院内体験口コミ評価・内容、キャンセル率接遇改善・待ち時間短縮・予約システム
③再来院・紹介再来院率、次回予約取得率リマインド施策・リピート設計
④競合・市場競合クリニック数・評価、差別化状況ブランディング・差別化戦略の明確化

新患が増えない原因をファネル視点で診断する方法については以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
クリニックの新患が増えない理由と解決策|新患獲得ファネルで見つける集患の突破口

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3. 「開業直後なのに患者が来ない」場合に多い原因

開業前のマーケティング設計が不十分だった

開業後に「患者が来ない」と気づいても、その原因は多くの場合、開業前の設計段階にさかのぼります。商圏分析やターゲット設定・競合調査が不十分なまま開業してしまうと、「この地域に何科のクリニックを開業するか」という最も基本的な問いへの答えが曖昧になります。同一エリアに同じ診療科のクリニックが飽和している場合、開業直後から激しい患者獲得競争に巻き込まれます。

また、開業前からのWebプレゼンス構築が遅れると、開業時点でGoogleマップへの登録が未完了だったり、ホームページが検索エンジンに評価されていなかったりする状態になります。GoogleがWebサイトを評価して検索順位に反映するまでには通常3〜6か月以上かかるため、開業後に着手しても効果が出るまでに時間がかかります。

GoogleマップとホームページがSEO的に機能していない

クリニックを探す患者の多くは、「地域名+診療科」でGoogle検索を行います。この検索結果に表示されるGoogleマップ(ローカルパック)や通常の検索結果(SEO)に自院が登場していなければ、潜在患者はそもそも自院を見つけることができません。

Googleマップへの登録がない、または登録しているがプロフィールが不完全・写真が少ない・口コミへの返信がないという状態は、MEO(マップエンジン最適化)の観点から著しく不利です。同様に、ホームページが表示速度が遅い・スマートフォン対応がされていない・テキスト情報が少ないという状態では、Googleから「質の低いコンテンツ」と判断され、検索順位が上がりません。

⚠️ 注意事項
ホームページを開業と同時に公開したとしても、Googleに評価されるまでには数か月かかります。できる限り開業の3〜6か月前からホームページを公開し、Googleビジネスプロフィールの登録・最適化も事前に完了しておくことが重要です。

ターゲット患者像が曖昧なまま発信している

「どんな患者に来てほしいか」を明確にしないまま情報発信をしていると、発信内容が散漫になり、誰にも刺さらないという状態になります。たとえば、自由診療(美容皮膚科・アンチエイジングなど)を主軸に据えたいクリニックと、地域密着の保険診療クリニックとでは、ターゲットとなる患者層・使うべきメディア・発信すべきメッセージはまったく異なります。

ペルソナ(理想とする患者像)が曖昧なままでは、ホームページのコンテンツもSNSの投稿も「誰かに向けたもの」にならず、来院に至るまでの動機形成ができません。まずは「誰に・何を・どのように伝えるか」というマーケティングの基本を整理することが、すべての施策の前提になります。

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4. 「以前は来ていたのに患者が減った」場合に多い原因

近隣に競合クリニックが開業して患者が流れた

クリニックが一定期間経営を続けていると、同じエリアへの競合参入は避けられません。特に人口の多い地域やアクセスの良い駅周辺では、同じ診療科のクリニックが複数出店するケースが増えています。競合が増えると、これまで自院に来ていた患者が「より新しい・より便利な・より口コミが良い」クリニックに乗り換えることが起きます。

競合が増えた際の対応として最も重要なのは「差別化の明確化」です。「うちのクリニックはなぜ選ばれるのか」という問いに対して、患者に伝わる言語で答えられるようになっているかを点検する必要があります。「院長の専門性」「治療のこだわり」「患者への丁寧な対応」など、言語化していない強みを発掘して発信することが競合対策の第一歩です。

Google口コミの悪化が新患の来院を妨げている

現代の患者は、クリニックを選ぶ際にGoogleマップの口コミを重視します。星(評価)が3.5未満のクリニックは、多くの患者から「選択肢から外す」判断をされる傾向にあります。1件の悪い口コミが、それ以降の新患来院に長期にわたって悪影響を与えることは珍しくありません。

問題は、悪い口コミに対して対応をしていないクリニックが非常に多いことです。返信がないまま放置された悪口コミは、「クリニック側が問題を認識していない・改善しない」という印象を与え、信頼を損ないます。ネガティブな口コミには誠実な返信を行い改善の意思を示すことが、周囲の潜在患者への信頼醸成につながります。

💡 重要ポイント
Google口コミの評価は4.0以上を目標にすることが理想です。現在の平均評価が3.5を下回っている場合は、口コミへの返信対応と新たな口コミ獲得の仕組みづくりを最優先課題として取り組んでください。

WebサイトやSNSの情報が古くなり信頼性が下がっている

ホームページを開業時に作ったまま一度も更新していない、SNSを開設したが数年前から投稿が止まっているという状態は、患者にとって「このクリニックは今も営業しているのだろうか」という不安を生み出します。特に診療時間・休診日・取り扱い医療メニューなどの基本情報が最新でない場合、患者が来院してから「聞いていた話と違う」というトラブルにつながることもあります。

Googleはホームページの更新頻度や鮮度もSEO評価に反映させています。長期間更新されていないWebサイトは検索順位が下がる傾向にあり、患者が自院を見つけにくくなる悪循環が生じます。定期的な情報更新は、患者への信頼維持とSEO対策の両面で欠かせない取り組みです。

患者数の減少をはじめとするクリニック経営の課題と改善策については以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
クリニック経営を成功に導く完全ガイド|よくある課題・失敗原因と黒字化を実現する実践ポイントを徹底解説

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5. 患者が来ないクリニックが今すぐ取り組むべき対策10選

クリニックの集患・増患対策には様々な方法があります。以下に即効性・費用・難易度を考慮した10の具体的な対策を解説します。自院の問題に合致する施策から優先的に取り組んでください。

①Googleビジネスプロフィール(MEO対策)を最適化する

Googleマップは、地域のクリニックを探す患者が最初に触れる接点です。「○○市 内科」「駅名 皮膚科」など、患者が実際に行う検索に対して自院が上位表示されることは、集患の根幹をなします。

Googleビジネスプロフィールの最適化で優先すべき項目は以下のとおりです。基本情報(住所・電話番号・診療時間・ウェブサイトURL)を正確に登録すること、外観・内装・スタッフなどの写真を複数枚掲載すること、投稿機能を活用して月1〜2回は最新情報を発信すること、そして患者からの口コミに対して丁寧に返信することが、上位表示のための基本施策です。

②ホームページをリニューアル・定期更新する

クリニックのホームページは、患者が来院を決める前に最後に確認する「信頼の場」です。情報が古い・デザインが古い・スマートフォンで見づらいというホームページでは、せっかく検索でたどり着いた患者も離脱してしまいます。

ホームページのリニューアル時には、患者が知りたい情報(院長の診療方針・スタッフ紹介・診療の流れ・アクセス・よくある質問)を充実させること、スマートフォンに最適化されたデザインにすること、ページの表示速度を改善することの3点が最優先です。また、ブログや診療コラムを定期的に更新することで、Googleからの評価を高め、検索流入の増加につながります。

③SEO記事でターゲット患者に刺さるコンテンツを発信する

患者が「症状名」や「治療名」を検索したときに、自院のホームページ記事が上位表示されれば、来院の直接のきっかけになります。たとえば「ニキビ跡 治療 方法」「花粉症 薬 ○○区 クリニック」などのキーワードで記事が上位に表示されれば、自院の専門性が伝わると同時に集患につながります。

SEO記事の効果は短期間では出にくいですが、一度上位表示されると継続的に集患できる「資産型の集患施策」として機能します。競合が少なく患者の検索意図と一致するキーワードを選び、専門性の高いコンテンツを継続的に発信することが、中長期の集患基盤を構築するうえで最も重要な取り組みのひとつです。

④SNSで「選ばれる理由」を継続的に発信する

Instagram・X(旧Twitter)・LINEなどのSNSは、患者がクリニックを「選ぶ理由」を形成する場として機能しています。院長の人柄や診療方針が伝わるコンテンツ、院内の雰囲気がわかる写真、患者の疑問に応えるQ&A投稿などは、患者の安心感・信頼感を高めます。

美容クリニック・皮膚科・産婦人科・小児科など、患者が来院前に「どんな先生なのか」「どんな雰囲気のクリニックか」を重視する診療科では、SNSが集患の主要チャネルになり得ます。ただし、医療広告ガイドラインに準拠した発信が必要であり、患者の体験談や症例写真の掲載には法的ルールが定められているため、専門家への確認が必要です。

⚠️ 注意事項
医療機関のSNSには「医療広告ガイドライン」が適用されます。患者の症例写真・体験談・「〇〇が治った」などの効果を示す表現は、規制対象となる可能性があります。発信内容については、事前に医療広告ガイドラインを確認するか、専門家に相談することを強くお勧めします。

⑤口コミ獲得の仕組みをつくる

Google口コミは、新患獲得に直結する最も重要な集患ツールのひとつです。口コミ件数と平均評価が高いクリニックは、Googleマップでの表示順位が上がりやすく、患者からの信頼も高まります。

口コミを増やすためには、会計時にスタッフからお願いする・QRコードを記載したカードを渡す・LINEで来院後にリンクを送るなどの方法があります。ただし、金銭や特典と引き換えに口コミを依頼することはGoogleポリシー違反になるため、あくまで自然なお願いにとどめることが必要です。また、ネガティブな口コミには迅速かつ誠実に返信し、改善への姿勢を示すことが重要です。

⑥予約のハードルを下げる(Web予約・LINE予約の整備)

現代の患者、特に30〜50代の働く世代は、電話よりもオンラインでの予約を好む傾向があります。「電話をしないと予約できない」というクリニックは、それだけで来院ハードルが上がります。Web予約システムやLINE予約を導入することで、患者がいつでも・どこでも簡単に予約できる環境を整えることが、来院数の増加につながります。

また、キャンセル・リマインドをLINEで自動送信する仕組みを整えると、予約キャンセル率の低下にも効果があります。患者の利便性向上は、来院数の増加だけでなく、患者満足度・口コミ評価の向上にも直結する重要な施策です。

⑦院内体験を見直し自然な口コミ・紹介を増やす

患者が口コミや紹介を通じて新患を連れてくる「自然集患」は、広告費をかけずに患者を増やす最も費用対効果の高い方法です。そのためには、患者が「また来たい」「知人に紹介したい」と思えるレベルの院内体験を提供することが前提になります。

受付・看護師の対応の丁寧さ、診察室の清潔感、院長からの説明のわかりやすさ、待ち時間の短縮などが患者体験の主要素です。患者アンケートを実施して定期的にフィードバックを収集し、院内体験の改善に役立てることも有効です。小さな改善の積み重ねが、口コミ評価を押し上げ、紹介患者の増加につながります。

⑧リピーター維持のフォローアップ施策を導入する

一度来院した患者を再来院につなげるフォローアップは、新患獲得よりも低コストで安定した患者数の確保に貢献します。定期健診の案内、季節ごとの健康情報メール・LINE配信、来院後のお礼メッセージなどは、患者との関係を継続的に維持するうえで効果的です。

特に自由診療や審美系の診療科では、継続的な施術・メンテナンスが来院動機になるため、次回来院のきっかけを院内で作ることが重要です。「今日の治療で完結」ではなく「定期的なケアが必要」というメッセージを診察時に伝えることで、自然なリピート来院を促せます。

⑨自由診療メニューの価格設定・訴求を見直す

自由診療を提供しているクリニックにとって、メニューの価格設定と見せ方は集患と売上に直結します。「価格が高すぎる」ことが問題になるケースもありますが、それ以上に多いのが「価格の根拠・価値が患者に伝わっていない」という問題です。

ホームページやSNSで単に価格一覧を掲載するだけでなく、「なぜこの価格なのか(使用している機器・薬剤・院長の技術)」「患者にとってどんな価値があるのか」を丁寧に説明することで、価格への納得感が生まれます。また、価格帯別のメニュー設定(入門〜上位メニュー)を整備することで、初来院のハードルを下げながら客単価を高める設計も有効です。

⑩Web広告(Google・Meta)で即効性のある集患を行う

SEOやMEOは中長期的に効果を発揮する施策ですが、「今すぐ患者を増やしたい」という場合にはWeb広告(Google広告・Meta広告)が即効性のある手段として機能します。

Google広告では「地域名+診療科」などの検索キーワードに対して広告を表示できるため、来院意欲の高い患者に直接リーチできます。Meta広告(Instagram/Facebook)では、年齢・性別・居住地域などのターゲティングが可能で、特に美容医療・予防医療などの自由診療の集患に向いています。ただし、医療広告ガイドラインに準拠した広告表現が求められるため、専門知識を持つ支援会社へのサポート依頼を検討することをお勧めします。

対策即効性費用感難易度優先度
①MEO対策(GBP最適化)★★★
②ホームページ更新・リニューアル★★★
③SEO記事制作低〜中★★☆
④SNS運用★★☆
⑤口コミ獲得の仕組み★★★
⑥Web予約・LINE予約導入★★★
⑦院内体験改善低〜中★★★
⑧リピーター維持施策★★☆
⑨自由診療メニュー見直し★★☆
⑩Web広告(Google・Meta)★☆☆(要検討)

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6. 施策の優先順位の考え方──何から始めるべきか

上で紹介した対策は10項目ありますが、リソースに限りのあるクリニックが「全部一度にやる」ことは現実的ではありません。どの施策を優先するかは、「自院の問題がどこにあるか」によって変わります。

まず「なぜ来ないのか」を正確に特定する

「なんとなく広告を増やす」「なんとなくSNSを始める」という対策ファーストのアプローチは、多くの場合うまくいきません。施策を検討する前に、まず現状を数値で把握することが重要です。

確認すべき指標確認ツール・方法問題のサイン
Googleマップの表示回数・クリック数Googleビジネスプロフィール インサイト月500回未満(規模・診療科による)
ホームページのアクセス数・直帰率Googleアナリティクス月間PV500未満、直帰率70%以上
新患数・再来院率予約システム・レセコンのデータ再来院率50%未満
Google口コミの件数・評価Googleマップで自院を検索口コミ20件未満、評価3.5未満
予約キャンセル率予約システムのデータキャンセル率20%以上

これらの数値を横断的に見ることで、「認知段階に問題がある(MEO・SEO施策が必要)」のか、「来院後に問題がある(院内体験・リピート施策が必要)」のかが明確になります。広告費を増やす前に、まずこの診断を行うことが、施策の無駄打ちを防ぐ最大のポイントです。

即効性・費用対効果・難易度で施策を仕分ける

施策の優先順位を考えるうえで、「①自院の問題に合致しているか」「②即効性はあるか」「③費用対効果は見合うか」「④現在のリソースで実行可能か」という4つの軸で評価することをお勧めします。

特に、資金的に余裕がない時期は「低コスト・高効果」の施策から始めることが原則です。GoogleビジネスプロフィールのMEO対策・口コミ獲得・Web予約導入は費用が低く即効性が高い施策として、ほぼ全てのクリニックで最優先に取り組むべき施策といえます。

💡 重要ポイント
集患対策の優先順位は「自院のボトルネックはどこか」を正確に特定してから決めることが鉄則です。認知が不足しているのに院内体験の改善だけを行っても患者数は増えません。逆に、口コミが悪い状態で広告費を増やしても、広告をクリックした患者が口コミを見て来院をやめるという無駄が生じます。

PDCAを回す仕組みを作り改善を継続する

集患対策はやりっぱなしでは効果が持続しません。月に一度は数値を確認し、施策の効果を検証する時間を設けることが大切です。Googleビジネスプロフィールのインサイト・ホームページのGoogleアナリティクス・予約システムのデータなどを活用すれば、無料でも多くの情報を得られます。

数値が改善されている施策はさらに強化し、効果が出ていない施策は内容や方法を変えるか、一時停止して他に予算を回すという意思決定が、限られたリソースを有効活用するうえで重要です。データに基づいて継続的に改善するPDCAサイクルを確立することが、集患力を持続的に高める基盤となります。

施策の優先順位を含むクリニックのWebマーケティング全体設計については以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
クリニックのWebマーケティング完全ガイド|保険診療・自由診療別の集患戦略と実践手法

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7. 一人で抱え込まず、専門家に相談すべきタイミング

院長が「マーケティングの時間と専門知識」を持てない理由

開業医である院長は、診療・スタッフ管理・経営判断・学会活動など、日々多岐にわたる業務を抱えています。その中でマーケティングに時間を割くことは、現実的に難しい場面が多くあります。また、医学教育の中でマーケティングを体系的に学ぶ機会はほぼないため、「何が正しいのかわからない」という状態になるのは当然です。

「自分でやらなければならない」という思い込みを手放し、専門家の力を借りることは、経営を安定させるうえで合理的な判断です。院長が本来の強みである「医療の質」に集中できる環境を作ることが、クリニックの長期的な成長につながります。

マーケティング支援会社に依頼するとどう変わるか

クリニック専門のマーケティング支援会社に依頼すると、主に以下のような変化が期待できます。まず、現状の問題点を客観的に診断してもらい、優先すべき施策を明確にできます。次に、SEO・MEO・Web広告・SNS運用・ホームページ制作など、複数の施策を一貫した戦略のもとで実施できます。そして、継続的なデータ分析とレポーティングにより、PDCAが自動的に回る仕組みが整います。

特に開業から3年以内のクリニック、もしくは患者数が底を打ちそうな状況にあるクリニックにとっては、外部専門家の関与がターニングポイントになることがあります。院長一人で抱えていた問題に対して、外部の視点と専門知識が加わることで、出口が見えてくるケースは少なくありません。

クリニック専門のマーケティング支援会社を選ぶポイント

マーケティング支援会社は数多くありますが、クリニックに適した会社を選ぶことが重要です。以下のポイントを参考に選定を行ってください。

確認ポイント内容・確認方法
医療・クリニック業界の専門性クリニック・医療機関の支援実績が豊富かどうか確認する
医療広告ガイドラインへの対応法規制を理解した上でコンテンツを制作しているか確認する
施策の包括性SEO・MEO・広告・HP制作など複合的に支援できるか確認する
提案のカスタマイズ性自院の課題に即した提案か(テンプレートでないか)確認する
コミュニケーション体制月次報告・定期MTGなど継続的なサポートがあるか確認する
費用対効果の透明性費用と期待効果が明示されているか確認する

支援会社に相談する際は、「自院の現状と課題」「目標とする患者数・収益」「これまでに試した施策と結果」を整理した上で臨むと、より具体的なアドバイスを受けやすくなります。

専門家への相談を検討する際のコンサルティング活用法については以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
クリニック経営にコンサルティングを活用すべき理由|業務内容・選び方・期待できる成果を徹底解説

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8. まとめ

クリニックに患者が来ない問題は、正しく原因を特定し、優先順位をつけて施策を実行することで改善できます。本記事でお伝えしたように、集患の課題は「認知・集客」「院内体験」「リピート・紹介」「競合・市場」の4つの視点から診断することができ、それぞれに対応した具体的な施策があります。

特に、GoogleビジネスプロフィールのMEO対策・ホームページの更新とリニューアル・口コミ獲得の仕組みづくりは、低コストで始めやすい施策として優先度が高いといえます。一方、SEO記事制作やWeb広告などは中長期的な基盤構築と即効性に優れていますが、専門知識が必要な分野でもあります。

「患者が来ない」状況を一人で抱え込まず、クリニック経営に詳しい専門家に相談することも、経営の立て直しへの大切な一歩です。まずは現状を正確に数値で把握し、今日から動き始めることが、明日の経営改善につながります。課題の大小に関わらず、早期に行動することが最善の処方箋です。

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執筆者

弁護士。京都大学経済学部卒業、京都大学経営管理大学院修了(MBA)
旧司法試験合格、最高裁判所司法研修所を経て弁護士登録(日本弁護士連合会・東京弁護士会)。独立行政法人中小企業基盤整備機構では国際化支援アドバイザーとして活動。
㈱Camphor Tree において、医療分野・税理士など専門サービス業における、マーケティング・ブランディング・HP/LP 制作・SEO・コンテンツ設計など、集客から売上につながる戦略設計・実行支援を行う。

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